第64系統流出、外部委託作業員1人の入退室経路に絞り込み 関与の有無は未確認
第三鑑定センターの保管棟から革製の小袋(第64系統)が流出した事案で、既報(18日)の入退室記録の欠落をめぐる内部調査が進み、該当する1週間に出入りしていた外部委託作業員が複数人から1人に絞り込まれたことが23日、分かった。センターは関与の有無はなお未確認だとして、特定作業員の氏名や詳細は明らかにしていない。
■ 複数人から1人へ
既報のとおり、第三鑑定センターの保管棟では、第64系統の革製の小袋が2019年の本鑑定を終えたまま棚から消え、越洋の港湾都市のオンライン即売会の出品画像に写っていたことで流出が判明した。12日の発覚後、15日に約4,200点の全棚緊急点検、18日には入退室記録に1週間分の欠落が見つかり、期間限定の外部委託作業員の経路が疑われる段階に進んでいた。
センターによると、その後の調査で、欠落期間中に保管棟周辺への出入りが記録上確認できた外部委託作業員は当初5人とされていたが、勤務シフト表と警備ログの照合を進めた結果、23日までに1人に絞り込まれたという。センターの担当者は「絞り込みはあくまで記録上の在席状況によるものであり、この1人が流出に関与したと断定するものではない」と強調した。
■ 露木要氏、拙速な特定を改めて戒める
既報(18日)のとおり、業界団体「予備調査協会」会長の露木要氏(56、元第三鑑定センター鑑定補助員)は、絞り込みの報を受け「1人に絞られたという言葉だけが先に広まれば、その人の生活にも取り返しのつかない影響が及ぶ。記録が示すのは『そこにいた』ということだけで、『やった』ということではない」とのコメントを改めて寄せた。露木氏は12日の流出発覚時にも業界への信頼への影響を懸念するコメントを出しており、一貫して拙速な特定を避けるよう求めている。
■ 警察、窃盗・器物損壊の両面で
警察は既報どおり窃盗・器物損壊の両面で捜査を継続しており、23日時点で当該作業員への任意の聴取を行ったかどうかについては「捜査中」として明らかにしていない。センターは、委託契約そのものの見直しと、保管棟全体の管理体制の改善案を10月末から11月にかけて発表する方針を維持している。
■ 九霧の記録箱とは別の謎
既報(19日)のとおり、同じ保管棟の記録見直しの過程では、2003年の湾岸九霧事象の計測記録箱が分類違いで23年間別の棚に紛れていたことも判明している。センターは「九霧の記録箱の件と第64系統の流出は、発覚の経緯が重なっただけで、原因は別」と説明しており、両者を結びつける情報は今のところない。
流出の時期・経路・関与者は、今回もいずれも未解明のまま温存される。全棚を対象とした抜き取り調査の追加実施についても、センターは「検討中」としている。



